施業事例2

施業事例2

これまでに行ってきた様々な施業事例です。

間伐のいろいろ~同一樹種の間伐

 間伐と言っても様々です。例えば、同一の樹種で競合しあっている場合の間伐。下の写真は、年数の経ったヒノキ林で、左が間伐前の状態。右が一本を間伐した後の様子です。一本の木が無くなることで、その枝葉が占めていた空間が無くなり、空が見えるようになった要する分かると思います。

ビフォー

アフター

間伐のいろいろ~異なる樹種の間伐

異なる樹種の場合、どちらかの樹種の方がより上の方に出ている場合があります。下の写真は、上方に良く伸びているのが「赤松」で、その下にあるのが「ヒノキ」です。これはよくあるパターンでして、赤松の方が樹高成長が大きく、ヒノキを追い越してしまうのです。この場合どちらを残すかという選択があります。
 下の写真では、上の方に頭を出していた赤松を伐っています。そうすることで、下にあって成長が出来ないでいたヒノキ活かすことになりました。

ビフォー

アフター

間伐のいろいろ~住宅

 下記の写真はとある別荘の様子です。年に数回しか行かないという事情もあり、気が付くと木々に覆われ、日が入らず、大変なことになっていました。
 適度に空かして、日を入れてあげて明るくなりました。
あまりに日が入らないような状況がつづくと、シロアリが発生したりして、家にとってもよくないです。

ビフォー

アフター

間伐のいろいろ~赤松林

 赤松林の間伐。下記の写真は、右側が間伐前の様子。ここは植林したものではなく、自然と生えてきたものです。赤松は明るい場所を好みますので、私の住む伊那地域ではこういった赤松の実生の純林がたまにあります。
のある1月の寒い中、間伐を行いました。間伐した木は、集材搬出して、にしました。ですので、間伐後の林内には伐った木は残っていません。

ビフォー

アフター

除伐

 聞きなれない言葉だと思いますが、業界用語で除伐(じょばつ)と言います。もともとの言葉は、掃除伐で、略して除伐となりました。
 これは、木を植林した後の作業でして、木が成長する中で、他の草木に覆われた状態を解消するための作業の事を言います。
 下の写真はちょっと分かりづらいかと思いますが、左が施業前。何がなんだか分からなくなっている状態です。右の写真では、植林されたの姿が映っています。
 このまま放置していたら、せっかくの植林木も無くなっていたことでしょう。ただ植えたままではいけないといういい事例だと思います。

before

after

ツル伐り

 ツルを伐る事。ツルは、木を伝って上に登っていき、放置しておくと年々太くなり、そのうち巻きついている木を絞め殺したり、木の枝に巻き付いて木を枯らしたりします。せっかく植林した木がダメになってしまいますので、やった方がいい作業です。
 ポイントは、なるべく小さく細いうちに根元から伐ってしまうことです。しかもナタかノコギリがあれば出来ることです。見回りの最中にでも山主さんでやってもらえば特に技術的に難しい作業でもありません。
 そして木にとっては、とても重要な作業ですので、目についたら即伐ることをお勧めします。
 左下の写真は、放置されていた林で、ツルがたくさん絡んでいる状態でした。まずはこのツルをどうにかしないとどうしようもないので、ツルを伐ったのが右の写真です。このような状態にまでなってしまうと、ツル伐りも大変な作業になってしまいます。

before

after

ツルを放置すると、、、

 ツルを放置していくと、段々上部に伸びていき、太くなり、幹は締め付けられ、枝葉はツルの葉で覆われて日が当たらなくなり、やがて枯れてしまいます。下の写真を参照ください。
 こうなってしまってはもはや手遅れで、この状態からツルを取っても、元には戻りません。木にとってのダメージが大きすぎます。こうなる前に処理したいところです。

ツルの上部

幹に絡みついた様子

道の補修

 道の補修も大事な事です。山への道があるかないかでは、通いやすさ、整備のしやすさ、伐った木の搬出のやりやすさなど、かなりの違いが出てきます。
 そんな道も放置しておくと、道としては使えない状態になってしまいます。もっとも、それが私道なのか公道なのかで、誰が管理するべきものなのかという事も出てきますが、以下の写真は、私道の再整備です。
 ちょとしたことなのですが、そのままでは車では登れなかった道が、しっかり登っていけるようになりました。それは、砕石を入れるということです。必要な量の砕石を入れるだけで、道として使えるようになりました。
 左が施業前。右が砕石を入れた後。

before

after

伐った材を出すか、出さないか

 伐った木を出すか、出さないか。ケースバイケースで、出す場合も出さない場合もあります。以下の写真は、伐った後、出したケースです。そのまま林内に放置するのか、出すのかでは、見た目も、その後の入りやすさも違ってくるのが一目瞭然です。

ビフォー

アフター

けん引伐倒~チルホール

 状況に応じて、高いところにワイヤーを掛けて、特定の方向へ引っ張って倒します。
この時重宝するのが「チルホール」という道具です。

チルホールというけん引道具

はしごで高所にワイヤー掛け

枝付きの柱材


 たまにですが、枝付きの柱材を出荷することがあります。右の写真のように、あえて枝を残すのです。
 この場合は四角に加工されるのではなく、皮をむいて、丸い、枝付きの柱として使用されます。
 出荷者としては幹に傷を付けてもいけないし、枝が付いているのでかさばるし、なかなか搬出まで大変なのですが、こういうのも家の中にあると「楽しいだろうな~」と思いつつ、大切に出荷するように心がけています。

伐採した方がいい木~入り皮

画像の説明を入力してください(フォントが小さく設定された文章です)

 小さい苗木の時に何らかの損傷を受けて、それがふさがらずに入り皮となったものです。
 外観では分かりにくいものもありますが、右の写真の木は比較的に分かりやすい木でした。こういう木は根元に近い部分が使えないため、価値も低いので、早めに間伐して、周囲の木を活かした方がいいです。
 断面はハート型でおもしろいのですが。

整備完了直後の様子

 林内に枯れた赤松があり、また混んでいる林でもあったので、
①主に細くて残したい木の邪魔をしている木を伐り、
②空いた空間を狙って、残したい木を痛めないように枯れた赤松を伐採。
③林内に散らばった木を必要なものは集材して搬出し、
④それ以外は横にして歩きやすいよう、管理しやすいように整備した山。
 

斜面下から

水平に設置した材

斜面上から

大雨の後、崩れた林道の路肩の修理

 道の維持管理に必要なのは、「水をどう処理するか!」です。大雨の後、道が崩れているのを見ると、つくづく思います。
 今回も大雨が降り、道を流れた雨水が林道を流れ、路肩を削り、車が通れなくなってしまったので、補修しました。現地の木材と、砕石を使っての補修です。

崩れた路肩部分

補修開始~材木と石を使って基盤を作る

土のう袋に砕石を詰め、材木と交互に組んで積み上げていくところ

完了~道の高さまで積み上げて、車が通れるようになった!