今までに手がけた事例の一部です。整備の参考にしてください。
18年の長期に渡り、継続して整備、管理中の山。
必要な事を必要に応じて整備していますので、資産としての価値はかなり高い山になってきました。
また、私の考える理想の山の姿といっても過言ではないと思います。私たちが管理している中で、最上級の山です。
整備当初、一面カヤに覆われており、中に全く入っていけない状況でした。まずカヤを刈るところから始め、中にある木を整理し、必要な所には植林して整備していきました。現在、公園と言ってもいい位(ほぼ個人公園です!)の綺麗な山になっています。
これが初めは一面カヤの原だったとは、写真からは想像がつきません。
こちらの林は長年手が入っておらず、非常に混みあっている状態した。間伐を実施しました。
ですので、間伐をすることにしましたが、施業前に、残す木にピンクテープを巻き、その成長を阻害している木を伐採しました。そして伐採した木は売れるものは出し、それ以外は等高線に平行になるように整理。
日が入り、歩きやすく、将来に期待が持てる林になりました。
箕輪町。赤松の林ですが、長年放置されていたため、一面灌木の林になっており、入っていくこともままならない状況でした。灌木を伐るだけで、中に立っていた赤松が浮かびあがってきました。
主林木の赤松を少し間伐して、広葉樹も桜や楓、栗、ナラなどを残しつつ整備した山です。
赤松の林ですが、この林は「ツル」がものすごく繁殖しており、ほとんどの赤松がツルに絡まれている状態でした。
ツルも放置しているといつの間にか太くなり、場合のよっては木を枯らしてしまいます。この林もツルが大きくなりすぎて上部を外すことが出来ないので、根元に近いところで伐って、あとは自然に枯れるのを待ちます。もちろん、継続して管理していかないとまたツルが登っていきますので、この場合も継続して管理していく必要があります。
伊那市 整備前はかなり混み合った状態。林齢もかなり経過しており、樹高も30m近く。こうなると背が伸びすぎていて、特に細い木は少しの枝葉しかついていない状態です。
ですので、今後の横方向への成長は期待薄なので、
まず、形質の悪い木から伐採開始。
「獣害が減った。」との声
最近は、里山に近い集落では、鹿、猿、イノシシなどが畑に出てきて作物を荒らす「獣害」と呼ばれる被害が広がっています。
これは山に手が入らず、荒れた状態であることも原因の一つです。今回整備した山近くの集落では、「見通しが良くなったせいか、獣害がなくなった」と喜びの声をいただきました。
動物たちも、人が活動していて、山が整備されている状態だと出てきにくいようです。
家の前の木が大きくなりすぎて景色が見えなくなってしまい、日も当たらなくなってしまったとの事。斜面下には電線も通っていたので、電線をはずして伐採。電線をはずす場合は、短時間で済ませる必要がありますので忙しい伐採でした。
この山は継続して管理させていただいている山です。
5年前に最初の間伐をしてから再び混み合ってきたので、2度目の間伐をしたところです。
木はどんどん成長していきますので、継続した整備が必要です。混み合ったところで間伐が出来たので、これでまた継続した成長が見込めます。
一部を皆伐(すべて伐ること)し、伐った木を搬出し、枝葉を片づけてから植林した様子。苗木は初めは50センチほどしかありません。ここから新たな「やまづくり」が始まります。
この場所は鹿が多い場所で、通常サイズの苗木だとすぐに食べられてしまう場所でした。ですので、対応策として、3m位ある大きな苗木を植えて、植えた木に、獣害を防ぐために樹脂製の網を巻きました。
特に鹿の多い場所では通常の植林ができないため、こういった処置が必要になります。
この場所は、ある時期、熊による皮はぎ被害が出た場所です。
なぜ皮をはぐのか?理由はよく分かっていませんが、春に木が水をあげ始めて、皮がはぎやすくなった時期に起こります。一つには、その時期はまだ山に食べるものが少ないので、皮をはいで中の樹液から何らかの栄養を補給しているという話があります。熊が理由を教えてくれるといいのですが(笑)、はっきりしません。
私の管理している山の場合、70年生のヒノキ林で起こりました。
せっかく長年手を入れてきた木が皮をはがれてしまうと、もうその木はそこから腐り始めてしまうので、伐るしかありません。
そのため、木に樹脂製のガードを取り付けて、被害を防ぐことにした林です。中にはこういう事をやった方がいい場合もあります。